April 24, 2007

4/10〜

『買ったり読んだり』…今回は図書館から“借りたり”だったりしますが…。


『武井武雄 思いでの名作絵本』(河出書房新社)
 
 大正から昭和にかけて活躍した童画家です。ちなみに“童画”という言葉を作った人です。大正11年に創刊された『コドモノクニ』という絵雑誌の創刊号の題字と表紙も描かれました。

 絵本や挿し絵など、多作な作家だったので代表作を挙げるのは難しいのですが『赤のっぽ青のっぽ』が有名かもしれません。鬼好きで、鬼に関する作品が多く、民芸や郷土玩具も好きだったようで、関連作品も多く掲載されていました。

 時代背景から来るのでしょうか、いわゆるモダンな作風(ですが、ちょっとキモチが悪い感じもある)、独特の味わいのある作品を生み続けられました。

 特別好きというわけではありませんが、いっぺんまとめて見ておきたいなと思っていました。長野県岡谷市に童画館があるそうなので、一度原画も見てみたいものです。



『図説 鉄腕アトム』(森 晴路  河出書房新社)

 手塚治虫と言えばアトムですが、元々は脇役として世に出たのでした。非常にこだわりの強い作家として有名な手塚氏、アトムも多く話に多くのバージョンがあり、書き直しや作り直しもとても多かったようです。それらをとても詳しくまとめた研究書のような本でした。

 手塚氏には“アトムの呪縛”のようなモノがあったようで、そういった苦悩なんかもちらりと感じられるように書かれていました。

 アトムという国民的ヒーローを鏡に、そこに写る、頑固で意地っ張りで見栄っ張りで負けず嫌いの手塚氏の姿が浮かび上がってくるようでした。
 押し入れの中にしまってあるアトムを引っ張り出してきて読み直したくなりました。