February 24, 2009

回らないのに

数か月間にボイスレコーダーを買った。“後でしらばっくれようと思ったってそうはいかねぇぞ。ばっちり録音しとくからな!”的な用途で買ったのだが、結局そういう展開にはならずに済んだ。気持ちのどこかでそうなることを望んでいたのだろう、ボイスレコーダーはラジオの付いたものを買っていたので、以降は携帯ラジオとして大活躍している。通勤とランニングのお供だ。

携帯音楽プレイヤーと同じで、音楽ファイルやラジオを録音できる。Mac userのくせにiPodを持っていなかったので、ちょっとiPod的楽しみもできていい。落語を聞きながらのランニングは、ペースが上がりすぎない。

ちょっと前ならCD・MD、その前がカセットテープ、オープンリールテープ、そしてレコード盤。間接的に音楽を楽しむ形態は随分様変わりした。昔はちゃんと回っていた。メディアの回転をトレースして、信号を読み取り変換していた。時間の波に乗っている音を長さに替えて記録したり再生したりしていた。つまりどれも“回っていた”。

回っているその状態が演奏している事をイメージすることができたのだが、このボイスレコーダーやiPodはどこも回らない。どこも回らないのに、数時間もの音楽を録音できて再生もできる。これがよく分からない。どうも納得がいかない。そもそもデジタルというのはそういうこと、なのだろうけれど。

CDやMDもデジタルなんだからその回転はそれ以前のものとは違う…けど、やつらは少なくとも“回っていた”。だから無理やり考えを納めていた。だって回ってるじゃん、と。

しかし考えてみればPCにおいて、CDやDVDなどの“回る”メディアに写真や書類が記録されるというのも、なんだか不思議だ。回っているのに…。

Posted by kojiyan at 08:27:04 | from category: 蹴飛ばしエッセイ | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks
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